障がい者就労支援B型事業を考える—DAIKIとWOOOLY株式会社の取り組み
はじめに
全国のコミュニティFMにラジオ番組を配信しているTOKYO FMグループの「ミュージックバード」から放送されている「~DAIKIのInclusive Monday!~『教科書では学べないこと』」。この番組では、多様な分野からゲストを迎え、障がいのあるダンサーであり、NHK大河ドラマ「光る君へ」に出演しているSOCIAL WORKEEERZ代表のDAIKIが、自身の経験や視点を通じてインクルーシブな社会を築くためのアイデアや挑戦に焦点を当てて話を展開します。
WOOOLY株式会社 取締役運営本部長 飯牟礼聡志さんの登場
6月3日(月)の放送では、WOOOLY株式会社取締役運営本部長の飯牟礼聡志(いいむれ・さとし)さんをゲストに迎えました。同社が運営する就労継続支援B型事業の内容や今後の課題について伺いました。
就労継続支援施設に注目
就労継続支援施設とは、一般企業での就業が難しい障がい者を対象にした、就業準備や訓練の場を提供する支援施設を指します。就労継続支援施設にはA型とB型の2種類があり、A型は雇用契約を結び一般就労に近い形で運営されるのに対し、B型は雇用契約を結ばず、利用者の体調や障がいに応じた柔軟な利用が可能です。
ウーリーでの作業環境
ウーリーでの基本的な作業時間は10時から15時までで、その間に1時間のお昼休憩があります。「楽しく・温かく・柔らかく」をモットーに、スタッフは利用者の特性や体調に合わせてサポートを行っています。利用者は自分に合った作業を選ぶことができ、ボールペン作りや化粧箱の組み立てなどの内職作業から、オリジナルキャンドルやビーズアクセサリー、コースターなどのハンドメイド作品の制作まで、幅広い選択肢があります。
ハンドメイド作品の制作
ウーリーのハンドメイド作品については、スタッフがYouTubeなどを活用して新しいアイデアを常に研究し、事業所で試しています。このように、職員の提案が元になって新しい仕事が生まれる環境が整っています。さらに、喫茶店やプリン専門店の運営、ネイル施術体験イベントなど、障がいのある方々がやりがいや達成感を得られる独自の取り組みにも力を入れています。
B型事業所の“価値”を高めることが大切
就労継続支援B型事業所の現状について、利用者が自立して働けるようになるためには、国が掲げる工賃の引き上げが重要な課題です。しかし、仕事量を増やすだけで工賃を引き上げようとすれば、利用者の負担が増えるリスクもあります。飯牟礼さんは「平均工賃は1万5千円ほど」とし、利用者が自分に合ったペースで働ける環境作りが重要であると強調しました。
福祉サービス利用料と負担額の問題
就労継続支援B型は「障害者総合支援法」に基づいて提供されるサービスの一環であるため、福祉サービス利用料がかかります。利用者の自己負担額は原則最大1割ですが、利用する頻度が高まると負担額が増え、もらえる工賃を超えるケースもあります。この問題についても、業界全体での改善と取り組みが求められています。
「チャレンジ100」の目標
WOOOLY株式会社は現在、就労継続支援B型事業所の拠点を50ヵ所運営しており、「チャレンジ100」と題して2025年までに100店舗に拡大することを目指しています。飯牟礼さんは「業界全体にB型の運営のやり方や事業所が抱える課題を広く知ってもらい、社会に影響を与えられる会社にしていきたい」と未来を見据えており、ウーリーが業界全体を盛り上げる存在になることを期待しています。
番組概要
番組名:~DAIKIのInclusive Monday!~「教科書では学べないこと」
放送日時:毎週月曜日 19:00~20:55 (生放送)
パーソナリティ:DAIKI、ARISA
番組Webサイト:https://musicbird.jp/cfm/timetable/daiki/
以上、WOOOLY株式会社の飯牟礼聡志さんとの対談を通じて、障がい者就労継続支援B型事業の現状と今後の課題について深く掘り下げました。DAIKIと一緒に、インクルーシブな社会の実現に向けて新たな取り組みを模索していきましょう。