未来を創るGX(グリーントランスフォーメーション):クリーンエネルギーへの取り組み
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。この番組は「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師を招き、明日の暮らしを豊かにする情報を提供しています。
8月18日(日)の放送テーマは、「明るい未来を創る!GX(グリーントランスフォーメーション)」。経済産業省 環境政策課の佐野智樹さんをゲストに迎え、カーボンニュートラル実現のために不可欠なGXについてお話を伺いました。
カーボンニュートラル実現のカギを握る「GX」とは?
私たちの生活を支えているエネルギー源は、石油や石炭などの化石燃料が中心です。これら化石燃料の消費は大量のCO2を排出し、地球温暖化の主要な原因となっています。GX(グリーントランスフォーメーション)は、太陽光や水素といったクリーンなエネルギーの活用を進めて、CO2の排出量を削減しつつ経済成長を目指す取り組みを指します。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させて、おおよその排出量をゼロにするという概念です。現在、世界146カ国がカーボンニュートラルの目標を掲げており、日本も2050年までに実現すると国際的に約束しています。
佐野さんは「GXは安定したエネルギー供給を大前提として、単にCO2の排出量を削減するのではなく、これを良い契機として経済成長と産業の競争力強化を同時に目指すことがポイントです」と話します。経済産業省をはじめとする日本政府は、さまざまな取り組みを進めています。
導入が容易な次世代の太陽電池を開発
GX投資支援策の一つである「グリーンイノベーション基金」は、脱炭素効果の高い革新的な技術開発を行う企業や研究機関を最長10年間にわたり支援するもので、既に20のプロジェクトが立ち上がっており、支援額は2兆円を超えています。その中でも代表的なプロジェクトが次世代太陽電池「ペロブスカイト」です。
ペロブスカイト太陽電池は、フィルム状で「薄い」「軽い」「柔軟」といった特徴があり、ビルの壁や重量がネックで設置できなかった建物の屋根などにも設置可能です。これにより、太陽光発電の導入可能性が大幅に広がります。他にも、水素を使った新しい製鉄技術やアンモニアを燃料とする発電技術など、多くの企業が脱炭素に向けた技術開発に挑戦しています。
暮らしに関するGXの補助金制度に注目
GX実現には企業の革新的な技術開発だけでは不十分です。日本のCO2の総排出量の4分の1が日常生活から排出されているのです。特に家庭では、冷暖房や給湯から多くのCO2を排出しています。そこで国は、住宅の断熱性能の向上や省エネ機器の導入を進めるため、3年間で2兆円を超える支援を行っています。
補助金制度の一例
断熱性能が優れた窓
ガラスの交換や内窓の設置、外窓の交換など、工事の内容に応じて補助額は変わりますが、1戸あたりの上限は200万円で、費用の約半分が補助されます。高効率給湯器
電気やガスの使用量を抑えられる給湯器が3種あり、最大で「ヒートポンプ給湯器」は1台につき13万円、「ハイブリッド給湯器」は1台につき15万円、「家庭用燃料電池」は1台につき20万円の補助が受けられます。クリーンエネルギー自動車の購入
電気自動車やプラグインハイブリッド車を購入する場合、最大85万円の補助が受けられます。- ZEHの購入
省エネを実現する断熱性を高めた住宅であるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を購入する場合、1戸あたり55万円、高性能なZEHの場合は最大100万円の補助が受けられます。
住宅に関わる省エネ化の支援については、「住宅省エネ2024キャンペーン」や「給湯省エネ2024事業」の特設サイトで確認できます。
GXを通じて明るい未来を創りましょう
日本のエアコンや給湯器は、その性能の高さから世界的にも支持されています。企業と国民の省エネ活動によって、2050年のカーボンニュートラルに向けて順調に進んでいます。GXの実現に向けては、脱炭素効果の高い革新的な技術や製品の開発、そして脱炭素型ライフスタイルへの転換が重要です。
最後に佐野さんは「社会全体でCO2の排出量を減らし、それを成長につなげるためにさまざまな支援策を用意しています。これを機に、ぜひGXへの理解を深め、皆で次世代に誇れる明るい未来を創りましょう!」と呼びかけました。
番組概要
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
未来を創るためのGXについて学び、クリーンなエネルギーを活用することで、明るい未来を共に築きましょう。