スコップ三味線の家元・舘岡屏風山が語るその魅力
イントロダクション
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。8月11日(日・祝)の放送は、特別なゲストを迎えました。それは、スコップ三味線の家元である舘岡屏風山(たておか・びょうぶざん)さんです。
スコップ三味線の成り立ち
スコップを三味線に見立て、専用のバチ(初心者は栓抜きなど)で叩いて演奏する「スコップ三味線」。このユニークな楽器がどのように生まれたのか、その成り立ちを舘岡さんに伺いました。
「いまから39年前、23歳の頃に発明しました。親と一緒に飲み屋を経営しており、その飲み屋は約100人の客が入る大きな店。父がバンドマンで、お客さんに『ほうきを貸してくれ』と言われ、ステージでギターの真似をするお客さんがいました。彼が言った『ほうきだと音が出ない』という言葉から、津軽地方でよく見かけた三味線にヒントを得て、雪かきのスコップを使ってみました。すると、これが見事に三味線のような音を出したのです」と舘岡さん。
初演奏の思い出
舘岡さんは楽器を一切弾けず、楽譜も読めない状態でスコップ三味線を発明。その後、初めて人前で披露しました。「音楽に合わせて練習をしてみると、これは意外といけると思い、1週間ほど練習してお客さんの前で初演奏をしました」と振り返ります。
40年間で4万3,000人超の弟子
現在では、舘岡さんはスコップ三味線の教室を開いており、これまで教えてきた弟子の数はなんと4万3,000人を超えます。また、舘岡さんから直接習わなくても見よう見まねで演奏する人も多く、「スコップ三味線を一度でもやってみたことがある人は10万人を超えていると思います」と語ります。
教え方とそのコツ
年間およそ10ヵ月を全国を巡って教えるという舘岡さん。宇賀から「教え方のコツは?」との質問に、「コツの連続です。見よう見まねでは絶対に不可能です。誰でも簡単にできそうに見えますが、良い音を出すためのコツがあります。それは場数を踏まないと分からないのです。独学では音が減ってしまう」と答えました。
スコップ三味線の魅力
さらに、宇賀から「スコップ三味線の素晴らしさとは?」との質問に対し、舘岡さんは、「いまある音楽、特に楽器には全てルールがあります。そのルールを無視して演奏できるのがスコップ三味線です。ルールが無用で、誰がどう叩いても楽しめる、究極の“なんちゃって楽器”です」と説明しました。
演奏は自由に、失敗もない
小山が「どう弾いても良いし、失敗もない」という言葉に対し、舘岡さんは「スコップ三味線を通して、人生を幸せの眼鏡をかけて見ている感じがしますね」とコメント。その言葉に2人も「ありがとうございます。目一杯幸せです」と微笑みあいました。
スタジオでの生演奏とレクチャー
放送中、舘岡さんはスコップ三味線の生演奏を披露。さらに小山と宇賀にもスコップ三味線を教えるシーンがありました。舘岡さんの指導のもと、二人とも楽しみながら新しい楽器に挑戦していました。
番組概要
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/
スコップ三味線の魅力を存分に伝えた今回の放送。舘岡屏風山さんの情熱とユーモアが詰まった楽器、スコップ三味線がどれだけ人々の心を動かすものかを感じることができました。これからも、その魅力を広げていって欲しいと強く願います。