火山防災の日:日本の火山と防災対策を知る
毎週日曜日の朝7:30から放送されるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」では、「学びと成長」をテーマに、ゲスト講師を招いて日常生活に役立つ情報を紹介しています。8月25日の放送では、今こそ知りたい「火山防災」をテーマに、気象庁地震火山部 火山防災推進室長の今野英慈さんを迎え、火山防災の重要性についてお話いただきました。
火山国・日本の特異性と恩恵
まず、日本は世界でも有数の火山国です。火山とは、地下深くにあるマグマが地上に噴き出してできた山のことで、日本には多くの活火山があります。火山がもたらす恩恵として、温泉や火口湖、地熱発電、農作物に適した良質な土壌などが挙げられます。一方で、火山が噴火すると私たちの生活に大きな影響を与えるリスクもあります。
最近の調査では、富士山の市街地近くに新たな火口が発見されたり、桜島で大規模噴火の可能性が指摘されるなど、活火山についての新しい情報が増えています。こうした活火山に対しては「正しく恐れ、備える」ことが重要です。
その一環として、政府は2024年から8月26日を「火山防災の日」と定めました。この日は、1911年に群馬県と長野県の県境にある浅間山に日本で最初の火山観測所が設置された日が由来です。
活火山の監視と観測体制
活火山とは、1万年ほど前から現在までに一度は噴火したことがある火山や、現在もガスや蒸気などが噴き出している火山のことを指します。世界には約1,500の活火山がありますが、日本にはその約1割にあたる111の活火山があります。桜島、草津白根山、磐梯山、十勝岳、そして富士山などが代表的な活火山です。
気象庁では特に監視が必要な50の火山に対し、さまざまな観測機器を設置し、24時間体制で観測を行っています。例えば、空振計で噴火に伴う空気の振動を観測したり、地殻の傾きを測定する傾斜計や高精度のGNSS装置を使って地殻変動を観測しています。
地下のマグマが上昇する際、山は風船のように膨張します。この変動は非常に微細なものでも観測可能で、100キロメートル先が1ミリ上下する程度の変化も捉えることができます。気象庁はこれらのデータを解析し、必要な場合には火山に関する防災情報を発表しています。
火山に関する防災情報
火山現象には、火山灰、大きな噴石、火山ガス、そして火砕流などがあります。火砕流は時速100キロ以上で数百度に達することもあり、発生後の脱出は不可能です。過去には、1991年に雲仙・普賢岳で火砕流が発生し、多くの犠牲者を出しました。
気象庁が発表する火山に関する防災情報には「降灰予報」や「噴火警報」があります。噴火警報は5段階の噴火警戒レベルに区分されており、レベルごとに住民や観光客の取るべき対応が示されています。
- レベル1:通常の生活が可能
- レベル2:火口周辺への立ち入り禁止
- レベル3:登山禁止・危険地域への立ち入り規制
- レベル4:高齢者などの避難が必要
- レベル5:居住地域からの避難が必要
噴火警戒レベルには常に注意を払い、地元自治体の指示に従うことが重要です。登山や観光で活火山を訪れる際は、気象庁の「火山への登山のしおり」に目を通し、事前に必要な装備や情報を確認しておく必要があります。
「火山防災の日」特設サイトでは、火山や火山防災に関する情報がまとめられており、監視カメラを通じて現在の火山の様子も確認できます。今年から8月26日は「火山防災の日」。この日をきっかけに、火山防災について考え、理解を深めましょう。
番組のまとめ
番組の終わりには、杉浦太陽と村上佳菜子が今回学んだことを振り返りました。村上は「8月26日は『火山防災の日』」を強調し、杉浦は「活火山に出かける際は事前にチェック」をポイントとして紹介しました。
気象庁の「火山防災の日」特設サイトで詳しい情報を確認し、火山に関する正しい知識を持ち、火山災害に備えましょう。
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/