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首都圏の高校で、生徒が敬語を正しく使えない問題が増えてきている。教職員室でのやり取りでも、敬語の誤用が指摘される場面が見られる。国語教師は生徒の敬語使用を向上させるため、ロールプレイング授業を提案し、ネットで共有している。その一方、外国人向けに日本語を教える「日本語教育」の手法を活用する試みもあり、東京都立大学の「ハイパー敬語入門」を応用した授業が行われている。敬語を学ぶための具体的な練習方法が模索されている。
高校生が抱える「敬語」問題
首都圏のある高校での出来事が日本語教育の重要性を露わにしています。期末試験が近づく中、教職員室に顔を出した男子生徒の敬語の使い方に問題がありました。「〇〇先生、いますか?」と元気よく尋ねたものの、先生からは「『いらっしゃいますか』だろ」と言われ、敬語でやり直しを指示されました。敬語の使い方に慣れない高校生が増えてきている現状を、教育現場ではどう受け止めているのでしょうか。
教育現場での敬語指導の工夫
敬語指導をより効果的にするために、教師たちはさまざまな工夫を取り入れています。ある国語教師は、高校2年生向けの敬語ロールプレイング授業案をネットで公開しています。この教師は「生徒たちからは『面倒だ』『難しい』という声も多いが、敬語使用の抵抗感を減らしたい」とその意図を語っています。
留学生向け「ハイパー敬語入門」
一部の学校では、外国人に日本語を教える「日本語教育」のノウハウを高校生向けの授業に活用しています。日本語教育では、「読む」「書く」「話す」「聞く」の4技能を重点的に学ばせており、ドリルやコミュニケーションの練習が重視されています。
例えば、東京都立大学の留学生向けサイト「ハイパー敬語入門」では、日本語の敬語表現をわかりやすく学べるよう工夫されています。具体的な例として、先生にお願いをする際の敬語表現を練習する内容が紹介されています。
敬語練習の例
以下のような会話練習が行われています。
学生と先生の会話
- 学生:(1)〇〇。先生、ちょっとお願いしたいことがございまして、少しお時間を(2)〇〇よろしいでしょうか。
- 先生:あ、はい。何ですか?
- 学生:あのう、今度、奨学金を申し込もうと思いますが、募集要項にですね、指導教員の推薦が必要だということが書いてありまして、今日は先生に推薦書を(3)○○ということで伺いました。
空欄に入る言葉
- 失礼になります/お失礼します/失礼です/失礼します
- くれても/あげても/いただいても/お使いになっても
- 書いてくれないか/お書きになるか/お書きにするか/書いていただけないか
正しい敬語表現を使えることがコミュニケーションを円滑にする鍵です。これらの練習を通じて、高校生が敬語の使い方に自信を持てるようになることが期待されています。
まとめ
現代の高校生にとって、敬語は時に難解で面倒に感じるかもしれませんが、社会人になる上で避けては通れないスキルです。教育現場では、敬語に対する抵抗感を減らし、状況に応じた適切な言葉遣いを教える努力が続けられています。日本語の敬語教育が、今後の社会の中でより重要な役割を担うことを示しています。