蛙化現象の名前の由来はカエルの王様から!童話の内容を徹底解説

蛙化現象のアイキャッチ画像

ここ最近話題になってきている『蛙化現象』という言葉。

読み方は「かえるかげんしょう」で、

意味は「好きな人と結ばれた瞬間、逆に嫌悪感を抱くようになってしまう現象」ということですが、

これがなぜ『蛙化現象』というのでしょうか。
“蛙化”というのはどこから来ているのでしょうか。

今回は謎に包まれた『蛙化現象』の名前の由来について徹底解説していきます!

もくじ

蛙化現象の名前の由来は「カエルの王様」

カエルの王様
出典:ポプラ社

『蛙化現象』の名前の由来は、
ドイツ人作家のグリム童話「カエルの王様」の物語から来ています。

サブタイトルも入れると「カエルの王様 ~鉄のハインリヒ~」となり、

日本の絵本では「カエルの王様と金の鞠(まり)」と題されることもあります。

『カエルの王様』はどんな物語?

『カエルの王様』はお城のお姫様が主人公となっています。

ある日、お父様からもらった“金の鞠”を外に持ち出して遊んでいたのですが、

高く投げすぎた鞠を取りそこねてしまい、お城の湖に落ちてしまいました。

「せっかくお父様からもらった金の鞠なのに…」

そう泣いていると湖から小さなカエルが上がってきて、お姫様の足元まで来てこう言います。

カエルの王様
出典:絵本スペース

「美しいお姫様、あなたはなぜ泣いているのですか?」

お姫様は

「どうしてカエルが喋っているの・・・?」

と困惑しますが、カエルはもう一度「なぜ泣いているのか」と問うてきました。

冷静になったお姫様は、
お父様からもらった大事な金の鞠が湖に落ちてしまったことを話しました。

するとカエルが、

「わたしが湖に入って金の鞠を取ってきて差し上げます。その代わり、1つお願いごとを聞いてくれませんか?」

と交換条件を出してきました。

「分かりました」

とお姫様が快諾すると、カエルはこんなお願いをしました。

「私と友達になって、お城に住まわせてください」

一瞬困惑しましたが、鞠が戻ってくるならと思い、カエルのお願いを承諾しました。

するとカエルはすぐさま湖へダイブし、あっという間に金の鞠を拾い上げてきました。

お姫様は金の鞠が戻ってきてとても喜び、お城へと戻って行こうとします。

置き去りにされたカエルが、

「お姫様、わたしを忘れていますよ。約束したではありませんか?」

と声をかけました。

するとお姫様は笑いながら

「あなたみたいな醜いカエルが、私とお城で暮らせると思って?」

と心無い返答をし、そのままお城へ戻って行きました。

その晩。

家族で食事をしていると、門番からこのようのなことを言われました。

「お姫様から招待されたというカエルが、お城に入る許可を求めています」と。

父親から「一体どういうことだい?教えてごらん」と事情を聞かれると、

お姫様はその日あった出来事を正直に話しました。

父親から「カエルとそのような約束をしたなら、破ってはいけないよ」と諭され、仕方なくカエルをお城へ入れる許可をします。

カエルは通してくれたことへ感謝を述べ、食事が並んだテーブルに飛び乗り、

お姫様のお皿からパクパクと食べ物を食べ始めました。

お姫様は腹を立てましたが、食事が終われば帰るだろうと思い我慢しました。

しかし食事後もカエルは帰らず、お姫様のお部屋に入り、一緒に寝ることを提案してきます。

これにも腹を立てましたが、父親に叱られると思いしぶしぶ承諾しました。

夜が明け、朝になるとお姫様はカエルに起こされます。

何かと思い話を聞いてみると、カエルはまた提案してきました。

「もう一つお願い事を聞いてくれたら、わたしはここから出ていきますよ」と。

お姫様は喜んで快諾しましたが、そのカエルのお願い事というのが

「わたしにキスをしてください」

という突飛なものでした。

さすがにお姫様も怒って拒否しましたが、なんとカエルが泣き始めたのです。

「そこまで言うなら…別に大したことじゃないし…」

としぶしぶ承諾し、お姫様はキスをしました。

するとカエルから眩しい光が放たれ、視界が真っ白に。

しばらくして視力を取り戻すと、カエルがいた場所にはなんとイケメンな王子様が立っていたのです。

「あなたは誰?」

そう問いかけると王子は

「わたしは遠い国の王子です。魔女の呪いでカエルに変えられてしまいました。ベッドで眠りキスをしてもらったのは、呪いを解くためだったのです。お姫様がいなければ、わたしはずっとカエルのままでした」

という衝撃的なカミングアウトをしました。

カエルの正体がイケメンな王子様だったことに大喜びしたお姫様は、父親にそのことを報告しました。

「これは教訓じゃ。真実を知らずに見た目だけで判断してはならないのだという」

そう教えられ、王子様がお城に滞在する許可も出してくれました。

しばらく経ち、王子様に

「僕と結婚して王国に来てくれるかい?」

そうプロポーズされたお姫様は迷わずうなずき、晴れて結婚することになりました。

『カエルの王様』のアニメーション動画

この物語ではお姫様がキスをした途端にカエルが光り、王子様に変身するとなっていますが、

カエルが一緒に寝ることを頼んだ時点でお姫様が怒り、カエルを壁に投げた(投げようとした)時に光り、王子様に変身するというパターンもあるそうです。

『蛙化現象』との結び付け

この『カエルの王子様』が名前の由来となっている『蛙化現象』ですが、どういう結びつきでそうなったのでしょうか。

『蛙化現象』とは、

「好きだった相手(片思いしていた相手)と結ばれた途端に嫌悪感を抱くようになってしまうという現象(意味)」

ですが、

『カエルの王子様』の「嫌悪感を抱いていた相手と結ばれ、好きになる」を真逆にひっくり返したものが由来となっているんです…!

なんとも不思議な名前の由来ですね。。どうもしっくり来づらい。。

蛙化現象の名前の由来が分かりづら過ぎる?

「嫌いだった相手と結ばれ好きになる」というカエルの王様の内容をひっくり返したものが、『蛙化現象』の名前の由来になっているという。

正直言って「超分かりづらい」ですし、名前の由来として意味不明ですよね。こじつけすぎというか。

「名前の由来が分かりづらい」の声が多数

そもそも「このグリム童話全然おもんない」といった声や、

「調べれば調べるほど謎が深まった」という声もあり、

名前の由来について納得いっていない人が多いようです。

蛙化現象は「いつ」「誰が」名前を付けた?

要するに「センスがない」と思われている『蛙化現象』の名前と由来ですが、

これは誰が名前を付けたもので、

いつから言われ始めているのでしょうか?

名づけ親は藤澤伸介氏

グリム童話・カエルの王子様由来で『蛙化現象』という名前をつけたのは、

元大学教授で心理学者の藤澤伸介氏だと言われています。

藤澤伸介氏著:言語力

藤澤伸介氏が2004年

『女性が恋愛過程において遭遇する蛙化現象』

という論文を発表したことがスタートであることが分かりました。

ただ、そこから直ちに広まったわけではなく、

Twitterで【蛙化現象】と調べても、最古のツイートは2009年にまでさかのぼります。

しかもその当時も全く流行っていたわけではなく、

2015年までこの言葉はほとんど使われていませんでした。

2016年ごろからツイート数が徐々に増え始め、

2020年以降はそれなりにツイート数があるので、

『蛙化現象』という言葉は2020年ごろから流行り始めたと結論づけるのが妥当だと思われます。

そして2022年9月13日にTwitterでトレンド入りし、広く世間一般に浸透するきっかけになったと。そんな感じです。

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