村上春樹のラジオ番組「村上RADIO」のエピソード紹介
作家の村上春樹さんがディスクジョッキーを務めるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」。この番組は毎月最終日曜日の19:00から19:55まで放送されています。2023年1月26日(日)の放送では、「村上の世間話6」と題し、村上さんが日常の中で体験したエピソードを、美しい音楽とともにお届けしました。本記事では、最近お風呂に入っているときに気づいたことや、童謡「七つの子」について語った部分を詳しく紹介いたします。
お風呂での小さな発見
ある日、お風呂に入っているときに、「今日は耳たぶをちゃんと洗わなくちゃ」と思い立ちました。普段、身体を洗う際に耳たぶまで手が回らないことが多いため、この思いついたときに念入りに洗うことにしています。その日、湯船に浸かりながら耳たぶを撫でていると、左右で大きさが異なることに気がつきました。左の耳たぶはたっぷりとしており、右の耳たぶはコンパクトで硬めだったのです。
70年以上も生きてきてこの事実に初めて気付いたというのは驚きでした。毎日鏡で自分の顔を見ているにもかかわらず、この違いに全く気づいていなかったのです。この経験を通じて、自分自身についてまだ知らないことがたくさんあるのだと思い知らされました。
皆さんの耳たぶはいかがでしょうか? 左右で大きさが違っているのでしょうか? 耳たぶが私たちの生活で特に何かの役に立っているわけでもないのに、その大小について考えてしまいます。
曲紹介:ポール・マッカートニー「Dance Tonight」
この番組の中で紹介された曲は、ポール・マッカートニーの「Dance Tonight」です。特に、マンドリンのイントロが心地よく響きます。
謎の童謡「七つの子」
童謡「七つの子」は、「カラスなぜ鳴くの? カラスは山に、かわいい七つの子があるからよ」という歌詞で知られています。この歌詞を耳にするたびに、「七つの子」という意味について考え込んでしまいます。巣に七羽の子どもがいるとも取れるし、あるいは七歳の子がいるとも解釈できます。しかし、カラスは一般的に一度に三、四羽しか子どもを育てませんし、七羽もいたら大変です。
また、七歳のカラスはかなり大きくなっており、「かわいい子ども」とは言えないでしょう。この謎について、作詞者の野口雨情さんに直接尋ねるのが一番早いのですが、彼は1945年に既に亡くなっています。このため、「七つの子」の解釈を巡って、学者の間で長年にわたって論争が行われてきたのだそうです。
ある学者は、「七歳は人間の子どもが一番かわいい盛りであり、カラスにも同じくかわいいと思える年頃の子どもがいるのではないか」と解釈しています。他には、実際に何らかの事情で七羽の子どもがいるのではないかと考える説もあります。学者たちは本当に様々なことに対して議論をするものですね。
結びに
しかし、村上さんはこう考えます。野口雨情さんはもしかすると、単に「七つ」という言葉を使いたかっただけではないでしょうか? カラスが通常何羽の子どもを持つかや、何歳で成人するかという生物学的事実ではなく、「七つ」という響きに魅了されたのかもしれません。詩人というのは、時としてこのように無謀で勝手なことをするものです。
もちろん、これらは村上さんの個人的な憶測ですので、この件に関して論争に巻き込まれることはご遠慮ください。正直なところ、どちらでも構わないのです。
番組概要
- 番組名:村上RADIO〜村上の世間話6〜
- 放送日時:1月26日(日)19:00〜19:55
- パーソナリティ:村上春樹
- 番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
以上が、村上春樹さんがラジオ番組で語ったお話の一部でした。日常の些細な体験や、さまざまな興味深いテーマが、彼の持つ独特の視点で語られる「村上RADIO」。次回もどんなお話が飛び出すのか、楽しみにしていてください。
