ユニバーサルミュージックとAmazon Musicの新たな提携
2023年12月23日、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)はAmazon Musicとの全世界的なライセンス契約の更新を発表しました。この契約更新は、既存の提携をさらに拡大し、新たな音楽ストリーミングの時代「ストリーミング2.0」への移行を支える内容となっています。UMGは、アーティスト中心のモデルを強化し、独自コンテンツの提供や不正対策の強化を目指します。
ストリーミング2.0戦略とは?
契約内容に反映された「ストリーミング2.0」戦略は、音楽ストリーミング業界における新たな方向性を示すものです。この戦略の主な焦点は、顧客層を細分化し、特にスーパーファンに向けた高額オプションの提供にあります。また、ARPU(1ユーザー当たりの平均売上高)の向上を目指し、収益性を高めることも重要な要素となっています。さらに、アーティストにとってより有利なモデルを推進することで、音楽業界全体の活性化を図ります。
Amazon Musicとのオーディオブック連携
今回の契約には、UMGがAmazon Musicのオーディオ分野の拡大を支援する項目も含まれています。Amazonは昨年、自社のオーディオブックサービス「Audible」をAmazon Musicの有料プランに連携させることを発表しました。これにより、ユーザーにとってはより幅広いオーディオコンテンツへのアクセスが可能となり、UMGにとっても新たな市場の開拓が期待されます。
業界への影響
NMPA(全米音楽出版社協会)は、Amazonのこの動きを支持していますが、Spotifyのオーディオブックを含むバンドル化には反発しています。このような動きは、ストリーミングサービスが提供するコンテンツの多様化と競争を促進する一方で、新たなビジネスモデルの形成をもたらすでしょう。
編集長の見解
榎本編集長は今回の契約更新について、「ユニバーサルミュージックが掲げる『ストリーミング2.0』戦略が、今年の音楽産業のテーマのひとつになる可能性が高い」と言及しています。この戦略が国内外の音楽産業にどのような影響を及ぼすのか、今後の動向に注目です。
このように、ユニバーサルミュージックとAmazon Musicの新たな提携は、音楽ストリーミング業界に新風を吹き込み、アーティストやリスナーに新たな価値を提供する可能性を秘めています。「ストリーミング2.0」の展開がどのように進むのか、注視していく価値があるでしょう。