村上春樹が語る「一生もの」のレコードたち
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーを務めるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」。2月23日(日)の放送では、「村上の一生ものレコード」というテーマで、村上さんが「いつまでも聴いていたい」と思うレコードを紹介しました。このブログでは、その放送で語られた3曲についてのエピソードをお届けします。
アーサー・プライソックとカウント・ベイシーの共演作
Arthur Prysock / Count Basie『What Will I Tell My Heart』
アーサー・プライソックは、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、深いバリトン・ボイスでアメリカ本国では人気を博していた黒人歌手です。ジャズよりクルーナーに近い彼ですが、カウント・ベイシーとの共演盤では、ベイシー・バンドをバックにジャズらしい一面を見せてくれます。
「What Will I Tell My Heart」は、とても切ない失恋の歌。村上さんが17歳のときに購入したというこのレコードは、ずっと愛聴しているものだとのこと。録音エンジニアのルディー・ヴァン・ゲルダーが手掛けたこの作品は、特にフレディ・グリーンのギターが際立っている素晴らしい仕上がりとなっています。
ジェームズ・テイラーの「Walking Man」
James Taylor『Walking Man』より「Walking Man」
永遠の好青年と称されるジェームズ・テイラー。その作品はどれも素晴らしいのですが、特に「Walking Man」は心和む一枚だと村上さんは言います。リチャード・アヴェドンの写真を用いたジャケットもさることながら、収録曲はどれも味わい深いものばかり。
ブレッカー・ブラザーズなどの名ミュージシャンも参加し、1974年の最良のサウンドが詰まっています。聴くたびに心が落ち着く、そんなレコードです。
ウィーン八重奏団のモーツァルト
Members Of The Vienna Octet『Mozart Clarinet Quintet K. 581 / Divertimento In F K. 247』より「Clarinet Quintet K. 581: I. Allegro」
モーツァルトの室内楽には名曲が多いため、どれを「一生もの」として選ぶか難しいところ。しかし、クラリネット好きな村上さんは、最終的にイ長調のクラリネット・クインテットを選びました。この作品は、ウィーン特有の雰囲気を持った曲で、何度聴いても飽きない魅力を持っています。
ウィーン八重奏団によるこの演奏は、まさにその魅力を最大限に引き出しています。録音は1963年のものですが、古さを感じさせないピュアなモーツァルトです。ぜひとも第一楽章「アレグロ」をお楽しみください。
番組概要
- 番組名:村上RADIO~村上の一生ものレコード~
- 放送日時:2月23日(日)19:00~19:55
- パーソナリティ:村上春樹
- 番組Webサイト:リンクはこちら
村上春樹さんの音楽に対する愛情が詰まった放送。ぜひ一度、耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
