ギャンブル依存症の実態と回復方法を専門家が解説
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」。毎週日曜7:30~7:55に放送されるこの番組では、「学びと成長」をコンセプトに、さまざまなゲスト講師を招いて有益な情報をお届けしています。
7月21日に放送されたテーマは「正しく知ろう! ギャンブル依存症」。内閣官房 ギャンブル等依存症対策推進本部事務局の名達彩恵さんをゲストに迎え、ギャンブル依存症の実態とその治療法についてお話を伺いました。
誰でもなりえる病気「ギャンブル依存症」
パチンコ、競馬、宝くじなど、結果が偶然に左右されるゲームや競技に対して金銭を賭ける行為を“ギャンブル”と呼びます。趣味や気晴らしの範囲で楽しむべきものですが、のめり込んでコントロールできなくなると「ギャンブル依存症」となり、日常生活や社会生活に支障をきたすことがあります。
ギャンブル依存症は、アルコール依存症や薬物依存症と同じ精神疾患の一つですが、「だらしない性格だから」「親の育て方が悪いから」といった誤解や偏見が根強く、誰にも相談できずに問題が深刻化するケースも少なくありません。
「ギャンブル依存症」特徴的な症状
ギャンブル依存症には、以下のような特徴的な症状があります。
- ギャンブルで勝ったときの興奮を追い求め、賭け金が増える
- 負けが続いても「最終的には勝てる」と確信し、ギャンブルで負けたお金を取り戻そうとする
- 負けたときのことは覚えていないが、勝ったときのことはよく覚えている
- ギャンブルにハマっていることを隠すために嘘をつく
- ギャンブルを中断・中止すると落ち着かなくなったりイライラする
名達さんは「このような症状のために、貯金がなくなったり友人や家族に借金したり、ギャンブルをするために嘘をつくことがあります。ときには借金が膨らみ、盗みや詐欺などの犯罪行為に手を出して失業、貧困、自殺など深刻な問題を引き起こすこともある」と説明します。
脳の仕組みとギャンブル依存症
ギャンブルをしたい衝動が抑えられないのは、いくつかの脳の仕組みが関わっているとされています。アルコール依存症や薬物依存症と同様に、「報酬系」という脳内の部位に機能的・構造的な変化が起こるからです。
ギャンブルに勝つと、脳内でドーパミンという物質が分泌され「快い」と感じる刺激を得ます。この刺激が繰り返されると脳が刺激に慣れ、より強い刺激を求めるようになります。さらには脳の理性を司る部分の働きも悪くなり、「どんなにやめようと思っても、自分の意思でやめることができなくなってしまう」とも説明されます。
なぜギャンブルを続けるのか
ギャンブルをすることで、不快な気持ちや苦しさを紛らわせることができるため、ネガティブな感情や気分を変えるためにギャンブルを続けることもあります。これも自分の意思とは関係なく、脳が「苦しさからすぐに解放されたい」と司令を出すためです。
ギャンブル依存症の実態
2020年の調査によると、ギャンブル依存症の疑いがある人は成人人口の2.2%にのぼります。専門医療機関における新規受診患者数は20~40代が大半で、特に30代が最も多いとされています。名達さんは「ギャンブルをする人は誰でもギャンブル依存症になりえますが、『若い人、男性、ストレスへの対処がうまくない人、ギャンブルが身近にある環境』などがなりやすい要因として指摘されています」と解説します。
身近にギャンブル依存症がいたら
「一度、脳内に変化が起こると、以前の状態に戻すことは難しい」と言われていますが、ギャンブル依存症は適切な支援を受ければ回復することができるとされています。名達さんは「住んでいるエリアの精神保健福祉センターや保健所といった専門行政機関に相談する、専門の医療機関を受診するなど、専門家から適切なアドバイスを得ながら回復に向かう方法があります」と説明します。
また、依存症の問題を抱えた人やその家族同士でミーティングや情報交換をしながら回復を目指す“自助グループ”に参加する方法や、回復支援施設を利用する方法もあります。精神保健福祉センターや保健所に相談すると、自助グループや回復支援施設についても教えてもらうことができます。
一緒に向き合うことが大切
依存症は病状や状態を正確に自覚するのが難しいと言われています。明らかに問題があっても、本人は「やめようと思えばやめられる」「あの人に比べたら大丈夫」「借金さえ解決すれば問題はない」と考えてしまうことが多いです。
たとえ自覚していても、問題解決に向けての行動に時間がかかるケースが多いです。例えば、家族や周りの人が依存症の当事者に対して怒ったり、責めたりすると、当事者がさらにストレスを感じてギャンブルに頼ることが増えると言われています。
また「借金を肩代わりする」「本人の代わりに会社へ休みの連絡を取る」などの行為も多くの場合逆効果です。手助けをすると、本人が問題の本質に直面するのに時間がかかり、ギャンブルをやめる決断をするまでにますます時間がかかってしまいます。
名達さんは「ギャンブル依存症の当事者が回復するためには、まず専門の相談機関とつながり、当事者も家族も、ギャンブル依存症について正しい知識を得て対応していくことが大切です」と呼びかけます。まずは周囲の方が専門機関に相談し、適切なサポートの方法を知ることから始めましょう。
ギャンブル依存症に関する相談窓口
住んでいるエリアでギャンブル依存症に関する相談窓口を探す場合は、依存症対策全国センターのWebサイトをご覧ください。
杉浦太陽と村上佳菜子の学び
番組のエンディングでは、杉浦太陽と村上佳菜子が今回学んだ「ギャンブル依存症」について復習しました。まず村上さんは「ギャンブル依存症を正しく知ることが大切だと学びました」とコメント。続いて杉浦さんは「依存症を自覚して、自分と向き合うことが大事です」とまとめました。
番組概要
- 番組名: 杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
- 放送日時: 毎週日曜 7:30~7:55
- パーソナリティ: 杉浦太陽、村上佳菜子
- 番組Webサイト: こちらをクリック
