村上春樹、鰻屋での“竹”注文とその理由
村上RADIO「世間話」シリーズとは?
毎月最終日曜日の19:00からTOKYO FMで放送されている「村上RADIO」。このラジオ番組で、著名な作家である村上春樹さんがディスクジョッキーを務めています。「世間話」シリーズでは、村上さんが日常生活でのエピソードを元にしたトークを披露し、それに合わせて選曲した音楽を届けています。この記事では、特に注目された鰻屋での「うな重」の注文についてのエピソードをご紹介します。
鰻屋での注文、いつも“竹”を選ぶ理由
村上春樹さんは、以前東京の表参道にある鰻屋について話していました。そこにはいつも猫が昼寝を楽しんでいる、そんなのんびりとした鰻屋さんです。そして、その鰻屋には「松・竹・梅」というランクでうな重が提供されています。
若い頃の注文は“梅”
村上さんは、若い頃は余裕のない生活を送っていたため、迷うことなく一番安い“梅”を注文していたそうです。特に何の違和感もなく、それが当たり前になっていました。
生活に余裕が出ても“竹”止まり
しかし、生活にゆとりが出てからは“竹”を注文するようになりました。多少の後ろめたさを感じつつも、徐々に慣れてきたそうです。
どうしても頼めない“松”
歳を重ね、さらに余裕が出ても“松”に手を伸ばすことはできなかった村上さん。鰻屋に行くたびに「今日は“松”を頼もう」と思いつつも、結局“竹”を選んでしまうのです。それは決して気が弱いからではなく、トップのものを選ぶことの気恥ずかしさや居心地の悪さを感じるためだと言います。この心理には育った環境が影響しているのかもしれないと村上さんは考えています。
育ってきた環境と選択
村上春樹さんは中流階級の穏やかな住宅地で育ちました。そのため、他人より前に出ることや、一番を取ることが苦手なようです。自分自身のペースで好きなことをコツコツと行うことが得意で、それが性格にも影響しているのでしょう。
このような背景のもと、村上さんは鰻屋で永遠に“竹”を選び続けるかもしれません。それもまた人生の一部だと村上さんは捉えています。
駅伝チーム「梅竹下ランナーズ」
村上さんはかつて「梅竹下ランナーズ」という駅伝チームを持っていました。このチームは、村上さんのアシスタントや編集者が集まったもので、「梅」クラスと「竹の下」クラスのランナーたちで構成されていました。このチームは様々なレースに出場し、意外な健闘を見せたそうです。
鰻屋での特別なエピソード
ある時、村上さんが訪れた鰻屋は、並びが通常とは逆で、梅が一番高く、松が一番安い設定だったと語ります。その際、「松」と注文するのが少しかっこいい感じに思えたので、そこでならば梅を頼むことができるかもしれないと冗談めかして話していました。
おわりに
村上春樹さんが持つ、生活の中でのちょっとした葛藤や選択のエピソードは、私たちの生活にも通じるものがあります。村上RADIOを通じて、そんな日常の物語に耳を傾けるのも、また一興です。そして、次に鰻屋に行った際には、自分が何を選ぶのか、そんなことを考えてみるのも面白いかもしれません。
