この5人で音を鳴らす歓喜に満ちた、『BBHF Tour 2024 HERE COMES THE ICY DRAUGR ードラウグの回帰ー 』ファイナルをレポートのポイントをまとめてみた

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BBHF Tour 2024 ‘Here Comes The Icy Draugr’ 恵比寿LIQUIDROOM公演レポート

BBHFは最新EP『Here Comes The Icy Draugr』を掲げ、2024年にツアーを札幌、大阪、東京で開催しました。そして、そのファイナルとなった東京・恵比寿LIQUIDROOM公演の模様を振り返ります。

もくじ

Galileo GalileiとのスプリットツアーとBBHFの進化

このツアーの前に、尾崎雄貴(Vo/Gt/Syn)が主催したGalileo Galileiとのスプリットツアー『Tsunagari Daisuki Club “Galileo Galilei×BBHF”』が3月に開催されました。このツアーでは、Galileo GalileiとBBHFの異なる音楽性と個性が浮き彫りになりました。また、BBHFの存在がGalileo Galilei不在期間のファンの不安を払拭する存在にもなっていたことで、その重要性が再認識されました。

2023年にリリースされたEP『4PIES』以降、尾崎雄貴、DAIKI(Gt)、尾崎和樹(Dr)の三人のバランスから生まれる前向きな攻撃性やシニカルさがBBHFの特徴として際立ってきました。この日の恵比寿LIQUIDROOMには、「BBHFのライブを観に来ている」という強い意思を持ったオーディエンスが多く集まっていました。

90s音楽とBBHF

パール・ジャムやSUM41、ニュー・オーダーといった90年代の音楽がBGMとして流れる中、彼らはロマ音楽風のSEに乗せて登場し、和樹のタイトな8ビートが「サラブレット」を駆動させました。続く「メガフォン」では、DAIKIとサポートメンバーの岡崎真輝(Gt/Key)のユニゾンギターが印象的でした。さらに、雄貴のユーモア溢れるパフォーマンスも加わり、観客を引きつけました。

「僕らの生活」のイントロでは、DAIKIと雄貴のリフが観客の心を掴む場面が見られ、NewspeakのYohey(Ba)のフックの効いたベースラインがバンドのアンサンブルに深みを加えました。

宇宙的な「エデンの花」と「死神」

昨年12月にリリースされた「エデンの花」の宇宙船の交信を思わせるSEが流れ、一人取り残された主人公の心情を歌うこの曲で、BBHFの過去作『Moon Boots』も思い出されます。さらに「死神」では、トライバルとエレクトロニックが融合した世界観に観客も引き込まれ、Yoheyのシンセベースと生ベースのプレイが曲の重要な役割を果たしました。

雄貴のMCと観客の反応

「まだ皆さんの硬さを感じます」と観客を和ませた雄貴のMCに続いて行われた「戦場のマリア」では、男女の諍いを俯瞰する歌詞に対し、サーフロックや60sのポップソングを思わせる曲調が特徴でした。観客が腕を左右に振ると、フロアに和やかな雰囲気が広がりました。

続く「立派なお人」では、DAIKIの16ビートのグルーヴとYoheyのベースラインが音像を変える力強い演奏が展開されました。「やめちゃる」では、シニカルな歌詞とエネルギッシュなサウンドが融合し、BBHFならではのライブの醍醐味を味わうことができました。

闇を覗かせる「クリーチャー」

「クリーチャー」は、ダークでフェティッシュな世界観を持つシンセベースの響きと、ピーター・ゲイブリエルや80年代後期のエレクトロポップを想起させる音楽性が特徴的でした。極限状態の中で開き合う心をイメージさせるこの曲に、観客は深く引き込まれました。

メンバー紹介と「Mirror Mirror」からの曲

緊張感から現実に戻るようなMCでメンバーを紹介し、和樹を「檻の中のクリーチャー」と揶揄して笑いを誘いつつも、丁寧な口調でライブを楽しんでほしいと伝えました。

続く「バック」や「Torch」では、ライブアレンジが加わり、DAIKIのロックンロールなフレージングが印象的でした。雄貴のボーカルの熱量が上がると、ステージに明暗が生まれ、曲の解像度が一層高まる演出もありました。

新作EPのタイトルチューンと「Work」

新作EP『Here Comes The Icy Draugr』のタイトル曲では、アンデッドの切ない歌メロとDAIKIのセミアコのフレージングが大きなバラードに帰結し、観客を感動させました。この曲の後も、人生の重みをテーマに綴る「Work」に続き、セットリストの一貫性が感じられました。

本編を締めくくる「なにもしらない」

「なにもしらない」では、再生をイメージさせる白い光に包まれたステージで、飾らないたくましい演奏が披露され、本編はこの曲で締めくくられました。

アンコールと珠玉のナンバー

感動からのアンコールでは、再登場した5人がサポートメンバーを紹介し、Newspeakのニューアルバムの素晴らしさにも触れました。そして、BBHFがしばしの“冬眠”に入ることを告げ、未来への計画を発表しました。

ラストは「愛を感じればいい」と「黄金」という珠玉のナンバーが披露され、観客からは大歓声が上がりました。

再度のアンコールと今後の展望

再びアンコールの拍手が起こる中、ダブルアンコールに応えて3人のメンバーが再登場し、冬眠の真意について語られました。Galileo GalileiとBBHFの活動の並行に拘らない決意が語られ、来年には新しいアルバムのリリースも示唆されました。これからのBBHFの活躍に期待です。

文=石角友香
撮影=Yosuke Torii

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