村上春樹、ウーピー・ゴールドバーグの“歌”の魅力を語る「ウーピーさんの歌は、歌というより…」のポイントをまとめてみた

2024年7月1日

村上RADIO～歌う映画スターたち～

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーを務めるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」（毎月最終日曜 19:00～19:55）。6月30日（日）の放送は「村上RADIO～歌う映画スターたち～」がオンエアされました。今回、村上さんが選んだ秘蔵の音源の中から、「えっ!? こんな人も歌っているの？」と驚かれる楽曲が紹介されました。この記事では、中でも注目すべき3曲について語られた部分を紹介します。

Whoopi Goldberg「You Got It」

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ウーピー・ゴールドバーグがロイ・オービソンのヒットソング「You Got It」を歌います。しかし、ウーピーさんの歌はどちらかといえば語りに近いもので、それをボニー・レイットが引き継ぎ、本格的に歌い上げます。「You Got It」。ウーピー・ゴールドバーグとボニー・レイットの共演です。

この楽曲は「Boys on the Side」という映画のサウンドトラックに収められています。1995年の作品で、ウーピーさんも主役の一人として出演しています。村上さんはこの映画をまだ観ていないそうですが、女性3人の友情を描いた「シスターフッド」作品とのこと。サウンドトラックの全曲は女性歌手が歌っていて、まさに映画のタイトル通り「ボーイズ・オン・ザ・サイド」つまり「男は添え物」なんですね。

Robert Mitchum「Sunny」

今日は「歌う映画スターたち」という特集です。タフガイからコメディーまで、幅広い役柄をこなせる名優ロバート・ミッチャム。しかし、村上さんにとってミッチャムといえば『狩人の夜』『恐怖の岬』などの不気味なサイコパス役が思い浮かびます。それにしても彼の演技は本当にリアルで上手い、今で言えばロバート・デ・ニーロのようなタイプでしょうか。

そんな彼ですが、見かけによらず歌も上手です。ピアノも弾けるし、作曲もでき、自己名義のアルバムもいくつかリリースしています。今回はボビー・ヘブのヒット曲「サニー」を彼の歌声でお楽しみいただきます。ロバート・ミッチャムが歌います。

Jack Lemmon「Try a Little Tenderness」

ミッチャムと同じ時代、主に1950年代～70年代に活躍したベテラン演技派俳優、ジャック・レモンの歌をお届けします。この人も非常に器用で、ピアノもダンスも上手ですし、歌もうまい。しかもハーバード大学で学んだインテリでもあります。在学中から演劇と歌に夢中になり、学業成績はそれほど優れていなかったそうですが。

ここではレモンが「Try a Little Tenderness」を心優しく歌います。ジャック・レモンといえば『お熱いのがお好き』『アパートの鍵貸します』『おかしな二人』といった名作があります。コメディー俳優として知られていますが、シリアスな役もこなせます。コスタ＝ガヴラス監督の映画『ミッシング』では、シシー・スペイセクの義理の父親役がとても印象的でした。