地籍調査の重要性と新制度の導入
はじめに
毎週日曜の朝7時30分から放送されるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」では、「学びと成長」をテーマに、日常生活に役立つ情報を提供しています。8月4日(日)の放送では、「実は進化しています!地籍調査」をテーマに、国土交通省 地籍整備室長の久保雅寛さんがゲストに登場し、地籍調査のメリットや新しい制度について解説していただきました。
地籍の約4割は150年前のもの!?
地籍調査とは、市区町村が主体となって、各土地の所有者、地番、地目、境界及び面積などの情報を正確に測定し、記録することを目的とする調査です。この調査により地籍簿と地籍図が作成されます。
戸籍が個人の身分関係を管理するのと同じように、地籍も法務局が管理し、公的な場面で活用されます。しかし、現行の地籍情報の約4割は150年前の明治時代に作成されたもので、現代において正確性が欠けています。この問題を解決するためには地籍調査が必須です。
地籍調査のメリット
土地の取引
土地の売却や相続で土地を測量することは義務ではありません。しかし、測量がされていない土地は地図が不正確であり、買い手がつかず、隣接地との境界問題が発生する可能性があります。また、購入後に土地の形状や面積が思ったとおりでないこともありえます。地籍調査が済んでいる土地であれば、正確な測量結果があり、取引がスムーズに進みます。
災害発生時の迅速な復旧・復興に貢献
大規模な自然災害が発生した場合、復旧や住宅再建が急務となります。地震などで土地の位置や形状が不明になっても、地籍調査の情報を元に迅速な復旧作業が可能です。実際、東日本大震災でも地籍調査の有無によって復旧にかかる期間に大きな差が生じました。
土地の整備・再開発の円滑化
道路整備や市街地の再開発事業を円滑に進めるためにも、地籍調査は重要です。土地の利用や管理の基礎データを整備することで、所有者不明の土地の発生も抑制されます。
よりよい森林の管理
森林はCO2の吸収や土砂崩れの防止など多くの機能があります。これらの機能を発揮するためには適切な管理が必要であり、地籍調査済みの森林は管理作業が円滑に進められます。
地籍調査を円滑にするための新制度
地籍調査は1951年から実施され、現在までに国土の約半分程度しか進んでいません。その原因には、地籍調査の必要性やメリットが周知されていないこと、調査地域の住民協力の不足、境界に接する土地所有者双方の立会いが必要であることなどのルールがあります。
地籍調査の具体的な流れは次の通りです。
- 市区町村が住民説明会を実施
- 土地所有者立会いのもと境界を確認し測量を実施
- 正確な地図を作成し面積を測定
- 地籍簿と地籍図の案を土地所有者が確認
この地籍簿と地籍図の案は法務局に送付されます。しかし、所有者不明の土地や住民の協力が得られない場合、調査が停滞します。この問題を受けて、政府は法律を改正し、地籍調査の円滑化と迅速化を図っています。
久保さんによれば、2020年からは所有者が不明でも現地調査を進められるようになり、遠隔地の所有者は図面や写真で境界を確認できるようになりました。さらに2024年7月からは新たに「土地境界のみなし確認制度」が導入されました。この制度により、通知に反応がない所有者がいる場合でも20日間意見の申出がなければ調査を進められます。
終わりに
地籍調査は土地の取引や災害復旧、再開発において多大なメリットがあります。番組のエンディングで、村上佳菜子さんは「地籍調査に協力しようね」と呼びかけ、杉浦太陽さんは「土地境界のみなし確認制度が新たにスタートしています!」と注目していました。
地籍調査の通知が届いたら、ぜひ協力をお願いします。詳細は国土交通省 地籍調査Webサイトで確認できます。
番組概要
- 番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
- 放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
- パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
- 番組Webサイト:www.tfm.co.jp/manabiyori
