HUSKING BEEとFire EX. ─ 特別な30周年記念ツアー
日本のメロディックパンク/エモシーンを牽引してきたHUSKING BEE、そして台湾ロックシーンの先駆者と呼ばれるFire EX.。彼らは過去に共作するなど、深いリスペクトの絆で結ばれている。今回はHUSKING BEEの30周年記念ツアーの一環として、『東北ライブハウス大作戦 2024 with Fire EX.』という特別なイベントが行われる。このイベントがどれほど特別であり、両バンドがどんな思いを持ち続けてきたのかを、HUSKING BEEの磯部正文とFire EX.のサム(楊大正)との対談を通じて探ってみた。
出会いの瞬間
HUSKING BEEを知ったきっかけ
サムがHUSKING BEEに出会ったのは2000年。友人から借りた『AIR JAM2000』のVHSテープがその出会いだった。台湾のパンクロックシーンでは300人から400人規模のライブハウスが主流だったため、日本の巨大スタジアムに35,000人が集まった光景は衝撃的で、希望に満ち溢れていた。
初対面とサイン入りCD
サムはHUSKING BEEの大ファンとして、2013年の『FORMOZ FESTIVAL』で磯部からサインをもらった経験がある。台湾の熱狂的な応援と親日的な空気感も相まって、磯部も確かに感動を覚えていた。
初めての共同作業
日本でのレコーディング
初めてバンドとしてFire EX.と関わったのは、2016年のこと。Fire EX.がアルバム『REBORN』の日本盤リリースの際、日本語の歌詞で歌いたいという希望を磯部がサポート。特別な共同作業によって「残像モーション」という楽曲が生まれた。
メロディーと歌詞の協力
磯部が母国語と日本語に近い響きを意識して作詞した「残像モーション」は、サムにとって新しい生命をもらったかのようで、歌う時の気持ちも全く異なって感じられた。
音楽制作のプロセス
曲作りの順序と共通点
Fire EX.は8割ほどの楽曲でメロディーが先行し、それがサムの愛情、台湾に対する想いや身近な人たちへの愛情と共鳴する。HUSKING BEEも同様で、メロディーを軸に楽曲が形成される。磯部はFire EX.のメロディーが非常にエモーショナルで、愛情が感じられると評価している。
パーフェクトな楽曲
サムはHUSKING BEEの楽曲がパーフェクトだと語り、自身も完璧を目指して曲を制作するが、挑戦の中で得られるものも大きいという。
自国の言葉を用いること
母国語と英語の選択
Fire EX.は初期において理解されやすい台湾語を選択し、その美しさを活かしながら成長していった。一方、HUSKING BEEは初期に英語を選択していたが、次第に日本語の力強さを感じるようになり、セカンドアルバムから日本語の楽曲が増えた。
特別な思い出とエピソード
サムの事故とHUSKING BEEの力
2008年、サムが大事故に遭遇した際、車内でHUSKING BEEの曲が流れ続けたことが強い生命力となり、バンドメンバー全員にとって特別な存在となった。
30周年記念ツアーと今後の展望
ツアーへの思い
HUSKING BEE結成30周年を迎えるツアーでは、コロナ禍で中止となった「東北ライブハウス大作戦」を取り戻すべく、Fire EX.と一緒に東北を巡る。そして、能登半島地震を受けた金沢公演も実現。被災地への思いを音楽で伝えることで、支援の輪を広げたいとの熱い思いが込められている。
音楽の力と東北への思い
磯部とサムともに、震災後の東北で音楽がいかに人々に力を与えたかを実感しており、その思いを持ち続けている。震災から13年が経った今でも、お互いを思いやる気持ちは変わらず、これからも音楽を通じて元気を届けたいとしている。
終わりに
HUSKING BEEとFire EX.の特別な絆と音楽への情熱が詰まったこの対談からは、彼らの深い敬意と友情、そして音楽に対する真摯な姿勢が伝わってきた。30周年記念ツアーは、これからも続くであろう彼らの新たな歴史の一ページとなるに違いない。ファンとして、このツアーを心待ちにしながら、彼らがどんな感動とエネルギーを届けてくれるのか楽しみにしたい。
