村上春樹が語る「一生もののレコード」~珠玉の音楽探訪
作家として知られる村上春樹さんがディスクジョッキーを務めるラジオ番組「村上RADIO」。毎月最終日曜の夜にTOKYO FMで放送されており、多くの音楽ファンに親しまれています。2月23日(日)の放送は、特別企画「村上の一生ものレコード」と題し、村上さん自身が「いつまでも聴いていたい」と大切にしているレコードを紹介しました。この記事では、その中でも特に印象的な1枚をご紹介します。
音楽への情熱と家族の関係
こんばんは、村上春樹です。今日のテーマは「村上の一生ものレコード」。これは僕が心から愛して、いつまでも聴きたいと思っている音楽を紹介する企画です。「名盤」や「鉄板もの」と呼ばれるものは避けて、個人的に偏愛している作品に焦点を当てていきます。
音楽は私の人生の中で欠かせないもので、家でも毎日何かしら聴いています。しかし、面白いことに、私の妻は音楽にあまり興味がないんです。彼女は「こんな音楽が聴きたい」という欲求を感じることがなく、自分から音楽を聴くことはほとんどありません。でも、「これは聴きたくない」というものははっきりしているようで、私がそうした音楽をかけると文句を言ってきます。皆さんも似たような経験をお持ちではないでしょうか。
音楽の紹介:ナット・キング・コールの『After Midnight』
さて、今回紹介する1枚はナット・キング・コールの『After Midnight』から「When I Grow Too Old To Dream」です。ナット・キング・コールは元々ジャズ・ピアニストとして高く評価されていましたが、途中で歌手に転向しました。本人はもっとジャズを演奏したかったようですが、ポピュラー・ソングの歌手として人気が出過ぎて、ジャズの依頼は減ってしまったのです。
しかし、この『After Midnight』では歌手とピアニストのナット・キング・コールが見事に融合しています。ピアノを弾いているのはもちろんコールですが、そこにファン・ティゾール、スタッフ・スミス、ハリー・エディソン、ウィリー・スミスなどの実力派ミュージシャンが加わり、各曲で素晴らしいソロを披露しています。このレコードは、クラブでの演奏を終えた後、ミュージシャン仲間が集まり、軽くお酒を飲みながら親密な音楽を楽しむというコンセプトで作られています。洒落た雰囲気が漂うこの作品は、まさにいつまでも聴き続けたい一枚です。
特に、スタッフ・スミスの艶やかなヴァイオリン・ソロが光る「夢見るころを過ぎても」は、何度聴いても心に響く名演です。
番組概要
- 番組名:村上RADIO~村上の一生ものレコード~
- 放送日時:2月23日(日)19:00~19:55
- パーソナリティ:村上春樹
- 番組Webサイト:リンク
これからも村上RADIOを通じて、素晴らしい音楽の数々が紹介されることを楽しみにしています。それでは、次回の放送もお楽しみに。
