夜間中学:学び直しの場としての魅力
毎週日曜日7時半から放送されるTOKYO FMの「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」では、さまざまなゲストを迎え、学びと成長をテーマにした興味深い内容を提供しています。今回のテーマは「夜間中学」。文部科学省教育制度改革室長の渡邉浩人さんをゲストに迎え、その成り立ちや授業内容について詳しくお話を伺いました。
夜間中学とは?
夜間中学は、定時制高校や夜間大学のように夕方以降に授業をおこなう中学校で、現在全国に53校(2024年10月時点)あります。ここでは、義務教育を十分に受けられなかった人々が、年齢や国籍を問わず通うことができます。渡邉さんは「授業料は公立だと無償で、正式に中学校として認可されているため、修了すれば中学卒業資格が得られる」と話します。
歴史と社会背景
夜間中学は、約80年前に戦後の混乱期に学校に通えなかった子どもたちのために設立されました。現在は、学校に通えなかった高齢者や不登校の経験を持つ人、そして日本で義務教育を終えていない外国籍の人々が通っています。
全国で夜間中学に通う生徒は約1,969人(2024年5月時点)。日本国内にはまだ中学に通ったことがない約9万人、小学校しか卒業していない約80万人の人がいるため、夜間中学のニーズは高いと渡邉さんは分析します。
夜間中学の1日
夜間中学では多様なバックグラウンドを持つ生徒がともに学びます。その一日のスケジュールは、例えば午後5時に登校し、ホームルーム、国語、給食、英語、家庭科、数学の授業を受け、午後9時に下校するといった流れです。年代も国籍も異なる生徒が集まるため、授業では日本語指導が必要な場合もあり、専門家や通訳とも連携して教育が行われています。
卒業生の声
札幌市立星友館中学校のケース
不登校を経験した10代の生徒は、自身の学力に不安を抱きながらも夜間中学に通うことを決めました。「入学してみると、たくさんの友人ができ、自分を変えたいと挑戦することで自信が持てるようになりました」と、経験を通じて成長したことを語っています。
京都市立洛友中学校のケース
ネパール人のサルマさんは、夜間中学で日本語を学び、給食の時間には校内放送を担当するなど積極的に活動しました。これが彼にとっての大きな成長に繋がり、「将来は日本で働きたい」と新たな目標を抱きました。
学びたい人を応援する夜間中学
渡邉さんは、「夜間中学は学びたいという気持ちを持った方々を歓迎しています」と話し、文部科学省のホームページを通じて情報を得ることを勧めています。
番組のエンディングでは、パーソナリティの杉浦と村上が学んだことを振り返り、「学びに年齢は関係ない、学び直しのチャンスはいつでもある」と強調しました。
夜間中学は、人生における“学ぶこと”に遅すぎることはないというメッセージを力強く伝える場です。興味を持たれた方は、ぜひ情報収集をし、新たな一歩を踏み出してみてください。
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:TOKYO FM 日曜まなびより