日曜劇場「アンチヒーロー」最終回 – 野村萬斎の怪演が光る!
もくじ
明墨弁護士を主人公とする最終回
TBS系ドラマ「アンチヒーロー」が6月16日に最終回を迎えました。この作品は、長谷川博己が演じる明墨弁護士を主人公にしたもので、彼が東京地検の検事正・伊達原(野村萬斎)と対立する姿が描かれました。
野村萬斎の怪演ぶりが際立つ
特に注目されたのは、野村萬斎が演じる悪徳検事正・伊達原の怪演です。彼の演技力は、感情が激しく揺れ動く中でも、そのせりふが明瞭で聞き取りやすい点でした。声のトーンが乱高下しても滑舌がよく、表情の変化も見事でした。
狂言師としての背景
萬斎の滑舌の良さの原点は、4歳で初舞台を踏んだことから始まる狂言師としての50年以上のキャリアにあります。狂言は何の装置もない素の舞台で、数人の登場人物による会話と所作だけで成り立つ演劇形式です。そのため、彼の演技力が「アンチヒーロー」でも発揮される結果となりました。
狂言師という伝統芸能の強み
日曜劇場で40%を超える大ヒット作となった「半沢直樹」では、歌舞伎俳優が存在感を放ちましたが、「アンチヒーロー」では狂言師の萬斎が主役級の存在感を見せました。余計なものをそぎ落とし、せりふと表情の変化のみで役のキャラクターを成りきる彼の演技は、伝統芸能の強みと言えます。
次回作への期待
クランクアップ後に萬斎は「自由に楽しませていただきました」とのコメントを残しました。そんな彼の次回作が非常に楽しみです。このように「アンチヒーロー」での萬斎の怪演は、多くの視聴者に強い印象を残しました。
【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)
これで野村萬斎がいかに「アンチヒーロー」で重要な役割を果たし、その演技力がどれだけ光っていたかがわかります。次回作への期待も高まりますので、今後の活動にも注目していきましょう。