正門良規が主演!『Touching the Void〜虚空に触れて〜』の舞台化が決定
アイドルグループ・Aぇ! groupのメンバーである正門良規が、パルコ・プロデュース2024『Touching the Void〜虚空に触れて〜』の主演を務めることが明らかになりました。15日にはこのニュースが発表され、ファンや関係者の間で話題となっています。
『Touching the Void』とは?
『Touching the Void』は、登山家ジョー・シンプソンが1988年に書いた小説で、日本では「死のクレバス」として知られています。この小説は、ジョー・シンプソンとサイモン・イェーツがペルーのアンデス山脈にある標高約6,400mのシウラ・グランデ山に登頂した際に実際に起こった壮絶な遭難事故を描いた回想録です。
ジョーがいかに困難を乗り越え、生還を果たしたかというその壮絶な体験は、多くの読者の心に響きベストセラーとなりました。この小説はまた、2003年には映画化もされ(邦題『運命を分けたザイル』)、英国アカデミー賞で最優秀英国作品賞を受賞しています。
スコットランドの劇作家デイヴィッド・グレッグによる脚色
このベストセラーをもとに、スコットランドの劇作家・演出家であるデイヴィッド・グレッグが脚色し、2018年に舞台化されました。イギリスのブリストル・オールド・ヴィックシアターで初演されるとたちまち人気を博し、連日チケットはソールドアウト。新聞各紙でも大絶賛されました。
雪山を再現した舞台セットと緻密な演出
この舞台では、シンプルなセットながらも観客に吹雪や寒さを想起させ、2人の登山家の痛みや苦悩を追体験できるような演出が施されました。極限状態にある彼らの心理に迫る演出で、観客に壮絶な事故とそれに抗う人間の生命力を目撃させることができます。
今回は、オリジナル版の演出を手掛けたトム・モリス自身が来日し、日本人キャストとの共同作業を行う予定です。
正門良規が主演 ジョー・シンプソン役に挑戦
主人公ジョー・シンプソン役を務めるのは、Aぇ! groupの正門良規。今年念願のCDデビューを果たしたばかりの彼ですが、2022年の『ヴィンセント・イン・ブリクストン』で海外戯曲の経験もあり、今回は初の海外演出家とのタッグとなります。
正門良規 コメント
"演劇が大好きで次はいつ舞台に立つことができるだろうとうずうずしていました! そしていただいたお話がいつか立ちたいと思っていた念願のPARCO劇場。本当にびっくりです。主演として立てることが本当に誇りですし、また1つ夢を叶えることができてとても嬉しいです!
海外の演出家の方とご一緒するのは初めてで緊張していましたが、トムさんとオンラインでお話して、非常に穏やかな方で安心しました。今は稽古が始まるのを楽しみに毎日トレーニングをするなど、できる限りの準備をしています!
ビジュアル撮影では、実際に雪山に登る為の服装や装備を身につけて、アイスアックスのみで体を支える体勢をとっての撮影などもありました。スタジオも冷房でキンキンに冷やしていただき、徹底的に擬似雪山を作ってくださいました(笑)。それ故に迫力満点のビジュアルになっていると思います!
実話を基に作られているということが本当に衝撃です。お芝居に加え、ハードなフィジカルワークもあり、心身ともに大変な作品になりそうですが、とにかく今はわくわくしています。観客の皆さんが思わず全神経を使って見入ってしまうような、そんなスリリングでいて温かい物語を素晴らしいキャストの皆さんと共に真摯にお伝えします。是非楽しみにしていてください!"
キャスト紹介
古川琴音 コメント
ナショナル・シアター・ライブにて『戦火の馬』を見て以来、ずっと憧れていたトム・モリスさんの演出を受けられるとは夢にも思いませんでした。
今から緊張と高揚で胸がいっぱいです。
私が演じるセーラは雪山で遭難したジョーの姉で、唯一原作の小説には登場しないキャラクターです。
遭難中のジョーの心の支えとなり、1人下山したサイモンには心の内を問いかける、2人を導く一筋の光のような存在です。セーラの力強さ、自然の壮大さを全身いっぱいに表現していきたいと思います。
田中亨 コメント
オーディションは、まるでトムさんのワークショップを受けているような、楽しくて発見の多い時間でした。出演が決まって、どんな稽古を経て本番を迎えるのか、今から楽しみで仕方がないです。
ビジュアル撮影では、少しでも感覚を掴むために、実際にスタジオ内の温度を下げて撮影をしていました。寒さで目が乾燥したり、冷たい空気で呼吸することが、とても新鮮で勉強になる撮影でした。
無謀な挑戦にワクワクする気持ちや、命を預け合える関係性など、グッとくるポイントが多い作品だと思います。季節は夏から秋にかけてですが、舞台上には雪山があると信じて!切磋琢磨、稽古に取り組んでいけたらと思います。ぜひ観に来てください!よろしくお願いします!
浅利陽介 コメント
今はまだギターを触ったり、劇中にでてくる冬の登山、雪山はどれだけ過酷な状況なのかをイメージをしたりと少しずつ身体にインプットして準備しています。イギリス版の舞台映像を見ましたが、舞台上という限られた空間の中でクレバスを降りていきその後、落ちていくシーンの表現を効果的に見せているのが印象的でした。標高約6000mの空気の薄さ、氷に刺さるアイスアックスやアイゼンの音、キャラクターそれぞれの緊張感が伝わるようアンデスに行きたい…ところですが、まずは近所の坂道をダッシュで登ろうと思います(笑)。
ビジュアル撮影でリチャードの衣装を着たときは、なんというかしっくりくるものがあり、いよいよ始まるんだと、漠然とですが“不安”と“期待”を感じました。僕が演じるリチャードはとにかく一生懸命な人で、なかにはクスっと笑えるシーンもあるので楽しみにしていただきたいです。
トムさんに日本を好きになってもらって、観てくださる皆さんにはトムさんの演出を好きになってもらえるよう、稽古を頑張ります! お楽しみに!
公演スケジュール
- 東京公演:PARCO劇場にて10月8日~11月4日
- 京都公演:京都劇場にて11月10日~17日
編集部MEMO
『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド 〜虚空に触れて〜』のあらすじ
「ジョー(正門良規)が死んだ」と聞かされた姉のセーラ(古川琴音)は、ジョーの死を悼み、サイモン(田中亨)やリチャード(浅利陽介)、彼の登山仲間たちとパプに集っている。1985年ペルーのアンデス山脈の難関、標高約6,400mのシウラ・グランデ。若きイギリス人登山家のジョーとサイモンのペアは、ほぼ垂直にそびえ立つ西壁の登頂を前人未踏のルートで成功させた。ところが、下山途中で骨折したジョーは氷の崖から落ち、宙吊りになってしまう。ジョーはロープを登ることもできず、サイモンは彼を引き戻すこともできない。このままでは2人とも死んでしまう。快挙を成し遂げた彼らを待ち受けていたのは、大自然との対峙、そしてすさまじい葛藤と苦難だった……。
次回のブログでは、さらに詳しいキャストインタビューや舞台裏の情報をお届けします。どうぞお楽しみに!