村上春樹の「やること」と「やらないこと」へのこだわり:人生がずいぶん楽になりました
作家の村上春樹さんがディスクジョッキーを務めるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」。この番組は、毎月最終日曜日の19:00から19:55まで放送されています。7月28日に放送された「村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます3~」では、村上さんが選んだお気に入りの曲とリスナーからのメッセージに答える内容となっていました。
トム・ミッシュ & ユセフ・デイズ「Nightrider」の紹介
この日の放送では、トム・ミッシュの「ナイトライダー」が紹介されました。トム・ミッシュは、イギリスのシンガーソングライターであり、モダンな音楽シーンで注目を集めているアーティストです。この曲は、彼とユセフ・デイズとのコラボレーションとなっており、村上さんのお気に入りの一つです。
リスナーからのメッセージ:「こだわり」について
番組内では、多くのリスナーメッセージが寄せられ、その中の一つを紹介しました。
かえるくん(東京都、59歳男性)のメッセージ
かえるくんからのメッセージは以下の通りです:
「毎回、楽しく拝聴させていただいています。歳をとると、以前はこだわっていたことも、“まあいいか”と流せることが増えてきました。それでも、幾つかのことは譲れず、こだわり続けていることがあります。村上さんにも、そういう昔から一貫して守り続けているこだわりがありますか?」
村上春樹の回答
村上さんは、以下のように回答しました:
「僕は昔から、おおむね「まあ、いいか」という方針でやってきましたので、生活面で、あまり「こだわる」とか「これは譲れない」という感じのことはないんです。基本的にゆるいほうが楽でいいから。ただし作家としての仕事の面では、「やること」と「やらないこと」の区別はかなりはっきりつけています。そして「やらないことリスト」は僕の場合、かなり長いものになります。」
村上さんは、自身の作家としての活動については明確な線引きがあると語ります。この「やらないことリスト」は非常に長いものであり、具体的には次のような項目が挙げられました:
- 対談
- 座談会
- 往復書簡
- テレビ出演
- 講演依頼(どうしても必要な場合を除く)
- 連載小説
- 注文を受けて小説を書くこと
- 新聞のコメント
- 文学賞の選考委員
- 書評
- 広告出演
村上さんは、作家としての初期の頃にはこれらの活動も少しは行っていたものの、性格に合わないことがわかり、すぐにやめたそうです。その結果、生活が非常に楽になったと言います。しかし、このアプローチを続けることで友達や味方の数は減ったものの、自身にとっては有意義な決断であったとのことです。
番組概要
ここで、今回の放送の詳細情報を改めて紹介します。
- 番組名:村上RADIO~マイ・フェイバリットソングズ&リスナーメッセージに答えます3~
- 放送日時:2024年7月28日(日)19:00~19:55
- パーソナリティ:村上春樹
- 番組Webサイト:村上RADIO公式サイト
今回の放送でも、村上春樹さんのユーモラスかつ深い洞察に富んだ回答を楽しむことができました。村上さんの「やらないことリスト」に思いを馳せることで、自身の生活や仕事にも応用できるヒントが得られるのではないでしょうか。今後の放送もますます楽しみです。